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株式会社ティーエーサポート
HACCPコーディネーターとして〜本当のHACCP対応工場とはなにか〜
食品工場の衛生管理方法として、HACCPシステムを導入することがベストな選択であるかどうかは、判断が難しいところです。生産する品目にもよりますが、今すぐにHACCPを導入しなければならないということはないようにも思います。
しかし先進国の中でHACCPが義務化されていないのは日本だけと言われており、TPPや2020年東京オリンピックを機に日本でも義務化される方向に進んでおり、近い将来必要になってくると思います。
これまでの日本は、食品は輸入することがほとんどでしたが、今後輸出を拡大していく際には国際的に通用するHACCPが必須となってきます。また自国でHACCPを義務化していないと、輸入時に相手国にHACCPを要求できないという事情もあるようです。いままで日本で行われてきたHACCPは日本流で、世界的に通用するものではないと言われています。
これからHACCPを導入しようとする場合、新たに工場を建設するか、既存工場をリニューアルするなど、何らかの対策が必要になってくると思います。
HACCP対応工場ということばを良く見かけますが、本来HACCPは衛生管理手法であり、HACCP対応工場やHACCP対応設備というものはありません。しかしHACCPをやりやすくする施設、設備を整えることは可能です。
では、どのような施設、設備とすれば、HACCPがやりやすくなるのでしょうか。HACCPは製品のプロセスごとに異なるため、一般的な答えはありません。
交差汚染を防止する動線とした、清潔区域に入る前にエアシャワーを設置した、埃溜まりにならないよう照明器具を埋め込み型としたなど、これらはHACCPではなくPRP(前提条件プログラム)です。PRPは基本的な衛生管理項目で、製品ごとのプログラムであるHACCPとは異なるものです。しかしP
RPが不十分なためにHACCPが複雑となったり、CCPをコントロールすることが困難になることもあります。
したがって、HACCP対応といえるような工場をつくるには、これまでの高度に衛生管理された工場設計だけでは不十分で、HACCPプログラムを理解し、そのプログラムを補完できる設計としなければなりません。