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株式会社ティーエーサポート



A01 基本計画の重要性(設計を始める前に)



 仮に建設プロジェクトを計画、設計、施工の三段階から構成されるとすると、この中で最も重要なのは初めの計画であると考えています。プロジェクトの成否は、計画完了時で50%、設計完了時で80%といっても過言ではありません。それほどまでに計画は大切な作業です。
 しかし先に工事完了(竣工)時期を決め、必要工期、設計期間を逆算し、計画に十分な時間をかけていないことも多く見受けられます。建設することが最優先であれば、この手法でも問題ないのかもしれませんが、多くの場合は新工場に対する想いやコンセプトがあると思います。これらを十分に検討、精査することなく次の段階に進んでも、何かの拍子に後戻りしかねません。理想の工場で生産したいという想いを実現するには、施工でも設計でもなく基本計画にウエイトをおく必要があると思います。
 このように重要な基本計画は、業者主体でやるべきではないとも考えています。あくまでもユーザー社内で行う方が良いでしょう。設計業者などとともに基本計画を行ったとしても、ユーザーの想いが十分に反映されるとは限りません。設計業者は設計することが本業です。良い設計業者とは、"ユーザーの想いの詰まった基本計画をかたちにする設計図"という完成品を作成する業者だと思います。優秀な設計業者は設計を進めていく中で、計画内容の不明瞭な点を確認したり、実現困難な内容の見直しを求めてきたりします。このときに大切なのはユーザーの想いです。必ず実現させたいもの、ある程度の見直しを許容できるもの、様々あると思います。ユーザーの想い、信念がぶれていては理想の工場は実現できません。
 自分の想いをまとめ、設計業者に正確に伝えるために必要なのが基本計画書です。工場を建設することが決まったら、まずはこの基本計画書の作成に社内一丸となって取り組むべきと考えています。