工場建設エンジニアリング〜建屋から生産設備までトータルサポート〜

株式会社ティーエーサポート



A02 設計図書とは


 設計図書とは、設計図と設計仕様書を合わせた書類一式のことを指しますが、特に決まった形式はなく、業種によって様々です。建築は図面主体の構成に対し、生産機器は仕様書中心で添付として図面数枚があることが多いようです。
 ここで注意したいのは、設計図書は目的に応じて数種類あるということです。見積図、契約図、実施図、竣工図など、これらは全て設計図です。仕様書も同様です。厳密に言うと設計図書というタイトルの図書はないのかもしれません。
 設計図書は必要な機能を示しているもので、製作や工事に必要となる全ての情報が盛り込まれているわけではありません。建築であれば、○○相当品など記されており、使用する部材を指定していないことがあります。生産機器でも平面図、立面図など数枚の図面が添付されている程度であり、詳細が示されているとは考えられません。
 このように整理してみると、設計図書そのものが曖昧な印象を与えるかもしれませんが、決して業者の都合ばかりによるものではありません。限られた時間のなかで製作、着工を優先させるために基本事項だけをまとめた図書にせざるを得なかったり、ユーザーの好みや使い勝手に左右される仕様の決定に時間をかけたいとの考えがあると思います。これらの細部仕様の決定は、製作開始後または着工後に行われることになりますが、これがコスト変更の要因のひとつになります。契約時にすべての細部仕様を確認することは困難ですが、気になるところは少しでも多く確認した方が良いでしょう。納入実績のある業者だから心配ないという過信も禁物です。実績は過去のことであり、仕様は年々変っています。特に電気部品は日進月歩を続けており、仮に数年前と同じものを注文したとしても中身は大きく異なっています。
 設計図書は万全のものではないということを念頭に、製作や工事を進捗に合わせ、仕様確認することを怠らないようにしてください。